D.C.C. Dynamic Capability Consultingは経営に関するご相談、特に、経営戦略・事業承継・組織再編・研修・教育・リーダーシップ・技術革新について強みを持つ、神奈川県鎌倉市にある経営コンサルタント会社です。横浜国立大学名誉教授である田中政光が設立したダイナミックケイパビリティコンサルティングに是非ご期待ください。

 今日、圧倒的とも言える存在感とは裏腹に、「エクセレント・カンパニー」とされた企業が、エクセレントであるどころか、存続すら危うくなっています。そうかと思えば、これまでは名前さえ知られていなかったような「スタート・アップ」企業が台頭し、あっという間に市場を席巻するという事態が、業界を問わず、多くの国で起きております。その象徴が、例えばアップルです。

 「携帯電話」についてみると、2007年に業界総利益のほぼ90%を手にしていたのは、ノキア、サムスン、ソニー・エリクソン、そしてLGといった大企業でした。しかし、2015年になると、総利益のおよそ92%を占めていたのは、ほかならぬアップルです。2007年の参入時には、デスクトップのオペレーテング・システムで、そのシェアが4%にも満たなかったスタート・アップ企業が、僅か8年で、業界の支配者となった訳です。

 競争の激しい経済社会では、

強い者が勝ち、力のあるものが生き残る。
市場は強者に味方し、弱者を駆逐する。そこには何の不思議もない。
それは起こるべきことが起こっているに過ぎない。ただそれだけのことだ。

この事態を見て、人は言うかもしれません。

 しかしよく考えてみれば、この事態は極めて逆説的です。なぜかと言えば、アップルに限らず、スタート・アップ企業の多くは、一般に、経営基盤も確立しておらず、加えて市場での評価も定まっておりません。ですから、市場の「淘汰圧力」が働くとすれば、それは既存企業よりもスタート・アップ企業で、勝ち残るのは既存企業と言うことになってしまうからです。

 そのことを踏まえてみると、このいわば「弱者が強者を駆逐する」という事態が、かつてとは比べようがないほど、圧倒的な規模で、しかも短期間に起きているという事実は、今や経営の在り方それ自体が大きく変り始めていることを示していると見るべきでしょう。そしてそのインパクトが如何に大きいものであるのか、それは企業が戦略、職務構造、上司と部下の関係、更にはモチベーション等を一斉に変え、これまでとは全く異なる経営の在り方を模索し始めていることをみれば、明らかであるように思われます。

 そこで、もし、この現実を前にしてなお、市場に留まろうとするなら、

その企業は「過去」を捨て去ることをためらってはならない。
なぜなら、著しい技術の進歩や革新に伴う市場競争は、多くの場合、「ゲームのルール」の変更を伴うからである。

 とくにスタート・アップ企業は既に存在する、それゆえ既存企業に有利な既存ルール下での競争を嫌い、新しいルールを持ち込みます。そうすることによって、競争基盤の弱さをむしろ強みに転換し、市場を味方につけようとします。その意味で、環境が変化するとき、企業は過去と決別することを迫られている訳です。

 しかしそのためには、過去をよく検討した上でなければなりません。そうでないと、捨てるべきでないものまで捨ててしまうことになるからです。事業環境が変わるとき、そして何かを大きく変えようとするとき、よくよく注意すべきことです。

 良きにつけ、悪しきにつけ、企業はこうした中で製品を作り、またサービスを提供していかなければなりません。企業にとってみると、それは途切れることなく、「革新というペダル」を踏み続なければならないということであって、その足を止めることは、市場からの撤退にほかなりません。           

どのようにすれば、「息切れすることなく」、このペダルを踏み続けて行けるのか。
そのために必要な組織の仕組みとは一体どのようなもので、それは環境の変化とどのような関係にあるのか。
そのとき、経営者やマネージャーはどのように行動すべきで、果たすべき役割とは何か。

全てが「ナノセカンド(10億分の1秒)」で決まると言われるほどに変化の速い今日、企業が実際に直面しているこうした問題にどう対処すればいいのか、その「対応策を提案すること」、それが私達「ダイナミックケイパビリティコンサルティング」の使命であります。

私たちD.C.C.は、理論だけでなく、多くの企業研修や企業相談の中で培ってきた経験、そしてその結果得られた知見をベースにして、「理論」と「実務」に裏打ちされた「具体的な」対応策の提案を行って参ります。

田中政光
Tanaka Masamitsu

岩手県出身。
学習院大学経済学部卒業、都市銀行勤務を経て、大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。大阪大学経済学部助手、横浜国立大学経営学部、同大学大学院教授、関西学院大学専門職大学院(ビジネス・スクール)教授を経て、長崎県立大学経営学部特任教授。
現在、経済学博士、横浜国立大学名誉教授、ダイナミックケイパビリティコンサルティング代表

[専門分野]
組織設計、経営戦略、リーダーシップ、イノベーション、チーム設計

[受賞歴]
組織学会高宮賞受賞(組織化された無秩序と技術革新)

[学界関係]
組織学会理事・評議員
「組織科学」副編集長
組織学会賞審査委員

[社会貢献]
文部科学省 大学設置・学校法人審議会専門委員
「21世紀CEOプログラム」選考委員
「日英共同による英国の大学教授招聘候補者」選考委員
在外研究者選考委員
横浜市アドバイザー  その他

[著書(分担執筆を含む)]
『イノベーションと組織選択』(東洋経済新報社)
『現代経営キーワード』(有斐閣)
『新版経営学(2)―管理論―』(有斐閣)
『経営学説史』(有斐閣)
『現代経営組織論』(有斐閣)
『現代経営学の基本問題』(文眞堂)
『サイモン』(文眞堂;編著)
『検証 成果主義』(白桃書房、翻訳)
ほか

[論文]
ルース/カップリングの理論(組織科学;査読論文)
組織研究の新動向―新しい時代に即した組織を求めて―(Diamondハーバード・ビジネス)
組織における制度的機能の考察―その成立と崩壊過程―(組織科学;査読論文)
企業文化―活性化への現象学的アプローチ―(東北学院大学論集経済学)
インボルーション―変化に内在する旋律―(東北学院大学経済研究所)
組織化された無秩序と技術革新(東北学院大学論集経済学;組織学会高宮賞受賞論文)
技術革新におけるゴミ箱モデルの有効性―モデルの修正―(大阪大学経済学大阪大学)
技術革新におけるリニアー性の意味(東北学院大学論集経済学)
戦略からイデオロギーへ(研究年報経済学東北大学)
組織変革のパラドックス(組織科学;査読論文)
ストリート・レベルの戦略(横浜経営研究)
アイディア、利害、そして戦略―創発性の本質―(横浜国際社会科学研究年報)
意味体系としての環境(組織科学;査読論文)
環境適応の意味と戦略(経済論争神奈川大学経済学)
組織の交代と環境(研究年報経済学東北大学)  その他

[辞書]
経営学大辞典(中央経済社)
経営学小辞典(有斐閣)
経営学史辞典(文眞堂)
管理会計学大事典(中央経済社)

D.C.C.へのお問い合わせは0467-91-5732受付時間 平日10時~19時30分

フォームでのお問い合わせはこちらから